子どもにも大人気のMrs. GREEN APPLEが新曲「コロンブス」のMVを公開しました。
しかしそのMVが物議を醸し、公開翌日から非公開となっています。
なぜ炎上したのか、公開停止にまでなった理由と経緯について画像とともにまとめてみました。
ミセス「コロンブス」MVが炎上&1日で公開停止に
Mrs. GREEN APPLEが2024年6月21日に新曲「コロンブス」のMVを公開しましたが、そのMVが炎上しています。
MVの反応を受けて、公開から1日でMVは非公開となり、ボーカルの大森さんは謝罪文を出しました。
こちらがその全文になります。
Mrs. GREEN APPLE 「コロンブス」ミュージックビデオについて
2024.06.13
「コロンブス」のMusic Videoを制作するにあたり、
年代別の歴史上の人物・類人猿・ホームパーティー・楽しげなMV
という主なキーワードを、初期構想として提案しました。
類人猿が登場することに関しては、差別的な表現に見えてしまう恐れがあるという懸念を当初から感じておりましたが、類人猿を人に見立てたなどの意図は全く無く、ただただ年代の異なる生命がホームパーティーをするというイメージをしておりました。
しかしながら、意図とは異なる伝わり方もするかもしれないと思い、スタッフと確認し合い、事前に特殊メイクのニュアンス、衣装、演じ方のフォロー、監修をしていたつもりではおりましたが、そもそもの大きな題材として不快な思いをされた方に深くお詫び申し上げます。
決して差別的な内容にしたい、悲惨な歴史を肯定するものにしたいという意図はありませんでしたが、上記のキーワードが意図と異なる形で線で繋がった時に何を連想させるのか、あらゆる可能性を指摘して別軸の案まで至らなかった我々の配慮不足が何よりの原因です。
「コロンブスの卵」というキーワードから制作に取り掛かり、前向きにワクワクできる映像にしたいという気持ちが、リスクへの配慮をあやふやにし、影響を及ぼしてしまったと認識しております。
こちらの意図する物語の展開としては、歴史的時間軸は存在せず、類人猿も人の祖先として描きたかった。そして時間の垣根を越えてホームパーティーをする。
これはあり得ない話であり、あくまでフィクションとしての映像作品であると。
ただ、ある事象を、歴史を彷彿とさせてしまうMVであったというご指摘を真摯に受け止め猛省しております。
この度は本当に申し訳ございませんでした。
以後このようなことが無いよう、細心の注意を払い、表現することに対して誠実に、精進してまいりたいと存じます。
Mrs. GREEN APPLE 大森元貴
Mrs. GREEN APPLE OFFICIAL SITE
「あくまでもフィクションとしての映像作品だったが、あらゆる要素が線で繋がった時に何を連想させるのかなどの配慮不足が原因です。」と謝罪しました。
ミセスMVはなぜ炎上?5つの理由
では、ここまで炎上した理由はなんなのか?
MV公開停止にまでなった原因について見ていきたいと思います。
①コロンブスに対する間違った歴史認識
まず、コロンブスに対しての歴史認識が間違っていたことが炎上理由の1つではないでしょうか。
コロンブスは大航海時代が生んだ冒険家のイメージがありますが、近年は原住民の虐殺者とも評されます。
虐殺や性的暴行などを繰り返したり、病原菌を持ち込んで大量の死者を出したりしたとして、全米各地でコロンブスの銅像が破壊されるほど歴史的評価は変わっています。
もし歴史的背景を知っていたら差別的で誤解を生む表現だとわかったはずなので、そういうコロンブスの野蛮な一面を知らずに制作したのか?と疑問に思う声や、そもそも『コロンブス』という曲名の時点でリスクが高いのに…。という意見がありました。
MVにはストレートな差別表現があることから、公開停止になる前から削除されることを予想している投稿も見られました。
②奴隷問題への認識不足
先住民の虐殺を行なっていたことと重複する部分もありますが、コロンブスは奴隷商人であり奴隷制度を作った人と言われています。
『コロンブス』のMVでは、到着した島に住んでいた先住民を奴隷にしたことを表現したと捉えられるシーンがあったという声もあり、「類人猿の家を見つけて無断で入っていき、類人猿を見て抜刀」しているのが分かります。
奴隷のように人力車を引いているのはその類人猿であり、奴隷商人だったコロンブスを連想させます。
③アメリカ先住民への差別的な表現
炎上の理由3つ目は、アメリカ先住民への差別的な表現と捉えられる場面があったことです。
問題視されているシーンをいくつか紹介します。
ベートーヴェンが類人猿に西洋音楽を、ナポレオンが乗馬を、コロンブスが文字・天文・航海術を教えるシーンが登場しました(Xより)。
また、ナポレオンの前で猿人に敬礼させていて支配している感が否めません。
先住民が兵力として行使されたことを連想させてしまいます。
そして有名な「ナポレオンの卵」のシーンですが、ドヤ顔なことから知的差別感がすごいとも言われています。
さらに、MVで人力車が出てきますが、最初から最後まで黒い毛の猿が引いているとの指摘も見られました。
ラストシーンでは寝静まっている猿たちを置いて去っていきますが、歴史に照らすと不穏に見えてしまうという声も。
④猿同士の戦闘シーンをコカコーラ片手に鑑賞?
MV中にはコカコーラを飲みながら、負傷している類人猿を鑑賞しているシーンもありました。
他の描写と同様、先住民への差別的表現なのでは?と指摘されています。
このシーンに関しては意図が不明と言われていますが、無知では済まされない、意味がないとつくれないという意見もあります。
コカ・コーラ側にも批判殺到
この『コロンブス』という楽曲はコカ・コーラのCMソングとして起用されていたので、コカコーラ側にも批判が及んでいます。
コカ・コーラ社は「MVの内容に関して事前に把握しておらず、いかなる差別も容認していない」として、広告素材を全て停止したとコメントしました。
コカ・コーラは6月3日から、サマーキャンペーン「Coke STUDIO」を開始。Mrs. GREEN APPLEが出演し、キャンペーンのために書き下ろした「コロンブス」が流れるテレビCMを放映していた。
同社広報部はスポーツニッポン新聞社の取材に「本楽曲を使用したすべての広告素材の放映を停止させていただきました」と回答。YouTube上で公開されていた動画も削除された。
「また、弊社ではミュージックビデオの内容に関しましては、事前に把握をしておりません。コカ・コーラ社はいかなる差別も容認しておりません。今回の事態を遺憾に受け止めております」とコメントした。
ライブドアニュース
アーティストが謝罪文を出した後に、このような切り捨てるコメントをしたコカ・コーラの対応は酷すぎるという声がありました。
また、「いくら制作に関わっていなかったとはいえ、知らぬ存ぜぬは通用しない」という声や制作体制に問題があるという指摘も見られました。
⑤完全アウトなのにMV公開されたことへの指摘
MV公開までに多くの人が携わったはずなのに、誰も指摘する人はいなかったのか?と疑問視する声が高まって炎上に繋がったとも言えます。
コロンブスのMV監督はミセス大森自身
問題となった『コロンブス』MVの監督は、なんとミセスのボーカル大森さん本人でした。
さらに、ミセスのメンバーは2024年6月10日のスクールオブロックの記事で、『コロンブス』のMVについて「(撮影が)めちゃくちゃ楽しかった!!」「みんなも好きなMVなんじゃない!?」と言っていたそうです。
ファンや世間の反応は?
この件について、ファンや世間の反応はどうなのか?を見ていきたいと思います。
盲目的なファンも…?
差別表現でかなり批判を受けましたが「ファンとしてミセスの味方をするよ」というコメントが見られました。
ファンでもない外野は黙っていてほしい、という強火ファンの声も見られました。
冷静な指摘が大半
ただ、冷静な指摘が大半でした。
『コロンブス』のMVのコメントでは、差別する意図はなかったとしてもPVの内容や表現はアウトであり、早いうちに作り直した方がいいと指摘されていました。
MV公開から1日で公開停止し、謝罪文を出したことについては「誠実で素早い対応だった」と言われています。
謝罪文については、「そういうふうに捉えられたならすみません」など映像を見た側の問題にせず、「歴史や文化的な背景への理解に欠ける表現」「当社における公開前の確認が不十分」と書いてあったのには好感が持てるという反応でした。
さらに「コロンブスが近年問題視されていることを知らなかったのでこれを機会に学ぶことができた」というポジティブな意見も見られました。
まとめ
ミセスの『コロンブス』MV炎上についてまとめてみました。
今までも歴史認識などで問題となった衣装や振り付け、歌詞などがありましたが、今回のミセスも差別表現と捉えかねないシーンがMVに出てきたことで炎上してしまいました。
MVはアウトだけど、曲や歌詞はいい!という意見も多いミセスの『コロンブス』。
今後、この曲を歌うミセスは見られるのでしょうか?